普通
他人の普通は、いつだって血の滲むような努力をして得るものだった。
私自身がどんくさいのは否定しない。
なにをするにしてもとろいし、時間がか
かる。
勉強もまた然りで、ひとつを理解するのにかなりの時間を費やさなければならなかった。
日常生活だって本当に難しい。
他の人が当たり前にできる事が出来ないし、なにかにひとつやってるなら同時進行でもうひとつは無理だった。
そんないっぱいいっぱいの私を、本当に理解する人は少ない。
基本的に学校はとろい学生には手厳しい。
当たり前ができる人がほとんどの場所で、私みたいな学生はただただ迷惑な学生扱いだ。
私なんか学費くらいにしか思ってないんじゃないか。
そう思う事すらある。
普通、それがみんなみたいに出来たらどれだけか幸せか
努力もなしにできる諸々の全てを、私は取り上げられて生きてきた。
自力で努力もしたけど、無理なものは無理だとある日悟った。
所詮ない人はないまま生きるしかない。
普通が欲しい。
みんなが持っている普通が。